日記を読んでてもイマイチ良くわからんと言われることが多いのでちょっと解説してみました。
非常に狭く、模型業界においてすら、とっても珍しいお仕事なんでまあ普通は解らないですな。
たけみつの、お仕事はフィニッシャー(完成品工房とも言う)&原型師(なれると良いな〜)です。
ま、他にも電気屋だったり消防設備屋だったりウェブデザイナーだったりもしますが、
その辺はメインの仕事じゃないし説明が要るような仕事じゃないんでね。
現状、収入の大半を占めるフィニッシャーについて。
私はやりませんがプラモデル(ガンダムや車、戦闘機など)やメカ物ガレキのフィニッシャーも存在します。
私はフィギュア専門でガレージキットを組み立てて、塗装、完成品にして販売するお仕事なんですが、
2つのパターンがあります。
キットを自分で購入して組み立て塗装後にオークションで販売。
納期もなく、オーダーもないので自由に製作出来るが、落札価格が読めないので収入としては不安定
別館で展示してるのは一部例外を除きこっちのパターン。 比率としては多くはないです。
が、広告目的もあるし、たまに大化けしたりするんですね。
依頼者がキットを購入して製作代行をする。
hpやオークション落札者がメールで制作を依頼。 オーダーや納期がありますので縛られますが
作れば収入になるので、安定が見込めます。 こっちがメインですがhpや日記でも一切触れませんので
何やってるかは解りにくいですね。
そもそもガレージキットってなに?
これが一番解りにくいでしょうね。 普通、売ってないもん。
ひとくくりでガレージキット(ガレキ)と呼んでますが、実際にはイベント限定品とメーカー品に別れます。
レジンキャストキットと呼ぶ方が正確で、レジンキャスト製の樹脂模型を指します。
少量生産に適していて、多額の投資をしなくても生産出来るので、個人でもキットの生産が出来ますし、
人気のあまり無いキャラクター等でも製品化出来ますので、メーカーが少量販売したりします。
ただし、反面大量生産には適していませんのでキット一個当たりの単価は高価になります。
人形一個でキット代1万円くらいします。
基本的に固定ポーズで飾る人形です。 博多人形や木彫りの熊みたいな置物系美術品と考えると良いです。
リカちゃん人形の高級品に相当するのはドールと言いましてこっちは専門外です
で、1万円もするくせに、キットの状態では白かアイボリーのバラバラ死体状態ですので
自分で組み立てて色を塗らねばなりません。 これがまた製作の難易度が高い代物なんで
雑誌なんかでの作例を見て、これが欲しい!と思ってもなかなか手にすることが出来ません。
キャストキットは一般に完成品で出てるPVC製の人形に比べてハイクオリティで、しかもコアな商品が
あったりして、価格は高くても良いが欲しい。飾るのが目的だから製作の楽しみなんか要らない。
製作技術は高度で作例レベルのはとても作れそうにない。 でも欲しい。
誰かお金出すから作って!じゃあ、お受けしましょう。
でも特殊技術だから高いよ? これがフィニッシャーのお仕事です。
メーカー品
一般に流通してる商品で、マニアックな模型店で買えます。 通販もあるので模型雑誌を読む人ならご存じでしょう。
最近では雑誌とのタイアップで誌上限定通販キットとかもあります。
イベント品
年に2回開かれるワンダーフェスティバル(WF)や年に数回のワールド ホビーフェスティバル(WHF)で販売されています。
チョコエッグで有名な海洋堂主催のWFは入場者数3万人を越える大きなイベントだったりします。
前述のようにキャストキットは個人でも数万円あれば販売側に回れることが可能です。
自分で原型(主に粘土)を作り、シリコン型を製作してキャストを流し込めば良いのですから。
ここで問題になるのは著作権です。 自分で好き勝手に作ったキャラクタ−やメカなら著作権者は自分なので問題ありません。
これをオリジナル物と呼びまして、イベント会場での販売は勿論、通販しようが店に卸そうが勝手です。
ですがTVアニメや漫画、ゲームキャラクター等を製作、販売するためには著作権者に販売許可を頂かねばなりません。
著作権を無視すれば、最悪、著作権者に訴えられて賠償金支払いとかになってしまいます。
著作権者は大抵は企業ですから個人なんて相手にしてくれません。
そこでイベント主催者が代行で著作権者に交渉してイベント当日、イベント会場限定の販売許可を得るわけです。
当日版権と呼びまして日本国内のみの非常に珍しいシステムです。
個人販売者(ディーラー)はイベント会社にこういう作品を製作したいと締め切りまでに報告して(写真を送ります)
著作権者の監修後に目出度く販売許可が下りたら当日に限定販売出来るわけですね。
もちろん販売数量の規定やロイヤリティの支払いやら著作権者によって細かく規定があります。
版権申請にはある程度出来上がった状態の物が必要ですし、複製にもお金がかかります。
版権許諾が出なければ(結構落ちるのです。 前回許諾出たからといって安心出来ません)
それらは総て無駄に終わるので版権物はリスクも高いのです。
しかし、そもそもオリジナルではよほど上手くない限り、購買欲を刺激しないので売る側も買う側も版権物主体になります。
お客さんはイベントで購入するかネットオークションで落札後に製作依頼をされます。
イベントで人気キットを買いあさり、そのままオークションに出して利鞘を稼ぐ人も居ます。
転売屋と呼びまして流通の一端を担うのですが業界では嫌われてます。 限定品なんで買えない人達が出ますからね。
原型師
その名の通り原型を製作する人のことで、無から有を生み出す人です。
製作法は人それぞれですが、粘土をこねて(石粉粘土など)盛って削って行くタイプと
パテなんかの固まりから彫り込んでいくタイプに別れます。 木彫りの一刀彫でも良いわけですね。
目出度く原型が完成したら半分粘土に埋めてシリコンを流し込み、硬化後に粘土を取ってもう半面にシリコンを流します。
固まったら型を割って原型を取り除きキャストを流し込むと複製品が出来ます。
粘土埋めから代行してくれる業者もありまして「抜き屋」と呼びます。
大抵は趣味レベルなのですが一流の原型師だと1イベントで数百万から1千万くらい稼ぎます。
当然、そのくらいの腕になるとメーカーがほうっておきませんから、一般流通品の原型を担当したり、
イベント限定品をメーカーが正規に版権取得して一般流通させたりします。
中国で量産されているPVC完成品も元は当日版権のイベント品だったりします。
製作依頼で来るのとかオークションに出すのはそういう人達が原型を作ったキットですね。
もちろん、私は赤字続きで材料代すら回収出来てませんが夢はでっかくありたいもんです。
最近は新聞広告なんかでも原型師養成の通信講座とかありますので世間的には認知されてきてるようです。
ま、漫画家と同じで稼げる人はほんの一握りなんですけどね。
原型師=塗装が上手いとは限りませんので製作塗装はフィニッシャーに任せるというパターンもあります。
フィニッシャーの名前は出せたり出せなかったりですが。
ということで非常に狭い世界の解説でした。 フィニッシャーで喰ってるのは100人もいないんじゃないかなあ?
本気で腕一本の職人仕事だし。 腕が悪ければ依頼は来ないし、オークションでも下手すればキット代すら回収出来ないし。